今日、和牛の帝王切開の手術がありました。 非常に残念な事なのですが、結果的に母子とも死んでしまいました。
 今回、手術した親牛は、子牛の頃に酷い下痢をしたために、体が弱く、体格も他の和牛より小さいため(大体、但馬牛、見島牛程度)分娩を心配していたのですが・・・・
 問題の始まりは、3日目前、 分娩予定日でしたが、乳房に張り無く、産道も落ちてきていないのに、食欲減退、体温を測ってみると40度程あり、すぐに獣医先生呼んで、抗生剤を注射してもらう。
 次の問題は、その夜から、力むような姿勢をとるが陣痛らしい陣痛はなく、昨日の朝まで様子を見るけれど、進展無く、獣医先生に子牛の確認をしてもらう、子牛は、すでに産道に上がり始めており、このままうまくいけば産むはずと、陣痛が弱いので、促進剤を注射。一晩たっても、進展無し。
 子牛の状態も気になり、午前中に帝王切開の手術を開始する。
 
分娩前に体温が高い、陣痛など分娩兆候が無いなど、すでに普通ではありません。 
 そこに開腹後、さらに問題が発覚。
 
腹膜炎など起こした形跡が見られ、内臓の状態があまり良くなく、また第一胃の一部が癒着し、子宮を取り出すことが困難な状態にあったこと。
 
 子牛は、すでに体内で死亡し、胎盤も変色を始めていたが、無事に取り出すことに成功し、手術自体は、1時間ほどで終了。この時点では、とりあえず、母親が助かったことを感謝しました。
 
けれど、一番の問題は、それから3時間後。
 麻酔が覚めはじめ、ごそごそと動き始め、これで立ってくれたら、安心と見ていましたら、3時半ごろ一度立ち上がり、分娩房内を歩いていたので、これで安心とおもっていたのですが・・・搾乳が始まって、その途中で見ると不自然な姿勢で寝ているではないですか、 体を触ると、体温が低い、姿勢を直そうとするけれど、体に痙攣が始まって、あっという間に逝ってしまいました。
 一番の問題は、子牛の頃、酷い下痢をして、体を弱らせてしまったこと。
 その問題を解決するために、カーフペンを改良し、さらに今回進化させたのがこのカーフペン。 この子の失敗は2度と繰り返さない。