体格審査

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講座での体格審査 残念ながら、初産牛達の中に83点のウーピーはいません。

 

 秋に開催予定だったオータムショウが中止になってしましました。

 6月の学内の共進会の後、7月初旬に体格審査と人工授精師講習の講座の中にある体型審査講座とオープンキャンパスが同日だった為、6月の共進会と同じように10数頭の牛を毛刈りとコンディショニングをしなくてはなりませんでした。

 これも、9月に共進会があるかもしれないという願いからなのですが、やはり気合が入ると違います。学生達も夕方遅く(夜遅く?)まで毛刈りや牛洗いを行ってくれたおかげで、今月号のデーリィマン誌の本校のページに乗っている2頭ですが、2産目のジャコビー サブリナが87点、初産のケンダル ウーピーが83点を獲得しました。

 昨年は、同じ2産目のシド アモーレが88点でしたが、2年連続で高得点を得ることが出来ました。 けれども、その牛達をお披露目する場所がありません。 特にサブリナは、良い牛なのですが、ショウには縁がなく、日胆共進会の育成で1頭を取ったのが、最後の出陳なります。 地震やコロナで共進会が中止になっている為ですが、そう思うと最近は災害が続いている感じがします。2年連続で中止になると今後が心配になってきます。

 同じ災害ですが、97年振りの猛暑が札幌で起こりました。 昨年の7月はそれなりの気温で9月になってから残暑がありましたが、今年は、7月から猛暑が続きました。気温が35℃の日もあったりと東京より気温が高い日が有ったり、牛舎内の温度も30℃なんて日もありました。

 昨年は、残暑の影響で8月に授精した牛が3頭も35日の妊娠間では、プラスだったのに、1週間後には胚死している牛が3頭もいました。 今年は、6月末までにあらかた受胎させ、乾乳牛を多めに設定、扇風機を増設(4台→10台)、アイスペレットと言う牛の体温を下げるサプリメントも7月頭には給与を開始するなど多くの対策を取ったので、大きな被害はありませんでした。(乳房炎発症も7月~8月で1頭だけ) 牛も頑張ってくれたと思います。 ここにきて分娩が1週間で4頭あり、起立不能が1頭出たり(2日後には快復)、一番の年寄りが難産で夜中の1時生んだりと(母子ともに大丈夫、ただ、5日後に母親が発熱した。産塾熱か?後産は綺麗に出たけど)少し、大変でしたが猛暑だった割には、症状も軽く、牛達の快復も順調で涼しくなってくれれば、ミルクも出るようになると思います。

そ れでも、最大の功績は、学生たちが牛達を暑い日中に洗ってくれたことが牛のストレス低下につながったことだと思います。

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牛舎前のアスファルト舗装に散水して放熱を防ぐ 牛だけでなく牛舎も冷やす??

ハッコー ホルスタイン ショウの開催

 6月27日に学内で小さな小さな共進会を開催しました。 本来ならば、5月に石狩でスプリングが、8月に道央祭が、9月にナショナルショウが開催される予定でしたが、今年度もすべて、コロナ禍の影響で中止になってしまいました。 非常に残念ですがこれだけは仕方ありません。 しかし、2年制の本校ですと、2年開催がないと全く、共進会の経験がない状態で卒業する学生が出てしまい、共進会に興味を持つ学生にとっては、最悪の状況になってしまいます。 秋には、コロナが収まってオータムショウなり、ウィンターショウなりが開催されるかもしれませんが、このまま何も行動せず、”仕方がないね”で終わらせるのも、やはり、我慢がなりません。(そういいう気持ちは、学生の方が強いと思います。)

 

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(最後のチャンピオン戦 ジュニアチャンピオンはウィス デンバー ロトでした。)

そこで、学内で、学内の牛だけで共進会を開催することになりました。 総頭数16頭

育成はJrとシニア、経産は2歳と3歳の合計4クラスの本当に小さな共進会です。 学生たちは、休日や実習の終わった後に、リードマンの練習や 毛刈り、牛洗いなど重ねて、27日の共進会開催を迎えました。

 審査には、今回コロナ禍の中、無理を言って、TMFの松原氏とエスティリアの佐藤氏にお願いいたしました。 

 共進会で数々の賞を獲得されているこの方々の前で牛を引っ張るのですから、緊張のほどは尋常でなかったと思います。(そのせいか、チェーンの引きが強くて、佐藤氏から指導を受ける学生がいました。) 

 特に、初めてリードするJrクラスの1年、2年生の女子の面々は、練習期間が1ヶ月でしたから大変だったと思います。 また、経産クラスを引っ張った1年生の男子も入学して1ヶ月足らずですから同じように大変だったと思います。 共進会の後は、牛の見方、改良の方向性、リードの方法などセミナーを松原先生と佐藤先生にお願いいたしました。 日曜の午前中の短い時間でしたが、学生にとっては、有意義な時間を過ごせたと思います。

 私も久々の共進会の時間を過ごせて、やはり”楽しいな”と感じ、牛を見て頂いたのも今後の牛の改良の方向性や飼養管理の問題点など勉強になりました。 16頭全頭の仕上げを担当した福井専門員は”やり切りました”と言っておりましたが、徹夜での毛刈りで本当に大変だったと思います。 また、この16頭の牛を寝ずに見ていた学生や朝の4時前牛舎に来て、餌を担当した学生も大変だったと思います。 このやり切ったという達成感は、共進会を経験してみないと味わえないものかもしれません。

 

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(グランド チャンピオンに選ばれた ジャコビー サブリナ(無茶苦茶大きいです))

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(2歳クラス 福井専門員が飛び入り参加して、1等を奪っていきました。)

さて、共進会が終わった翌々日、また、札幌牛舎では新しい子牛が生まれました。

今回は、海外からの受精卵です。 ドアマンの系統です! これもまた、新しい血統になって行ってくれることを願います。 これからも、頑張っていきます!

採卵と共進会

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 今年度、2回目の採卵です。 今回は、バージンフラッシュを行う14カ月齢の育成牛とすでに搾乳を止め、採卵用に飼養している9歳成牛(学園の看板牛のジェネシスです。)の2頭を酪農学園大学の協力で採卵を行いました。 (

 前回は、蹄病で痛みを伴っていたり、泌乳量が多い時期の牛での採卵をチャレンジしたため、結果として、1卵も取ることが出来ませんでした。 やはり、うまく採卵するためには、できるだけマイナス要素取り省く必要性を実感し、今回は育成牛と乾乳牛(受胎していません)から採卵を計画しました。

 結果として、Aクラスの卵を10個以上採卵することが出来ました。すでに今年度は、和牛1頭、ホル1頭の受精卵からの子牛が生まれています。 年内に後4頭受精卵から生まれる予定です。 判別精液や受精卵の受胎率の問題からなかなか利用できなかったのですが、受胎率が向上したおかげで改良を一気に進めることが可能となりました。

 コロナ禍の影響で、共進会が開催されなくなって1年が経過し、今年度も開催が心配されてましたが、やはり、今年度も開催が中止となりました。

 昨年、全く共進会に参加してないこともあり、進行や段取りが学生達に伝承されてなく、八紘学園に入学して、全く共進会を経験しないのも学生達の入学の目的の一つを無くしてしまうことになるので、学内で小さな共進会を開催することになりました。

 今年度から学内で始まったホルスタイン同好会の初めての催しものにもなります。

 取り敢えず、未経産2部、経産2部の2部門、合計13頭で行います。 初めて牛をリードする学生もおりますが、毎日リードの練習しております。

 牛も昨年共進会が無かったので、初産牛は全く調教されてないので、かなり学生たちも苦労しております。(牛の体高が以前より少し高くなったので、頭を上げるのは、男子学生でも結構大変です。)

 チャンピオン牛やベストリードマンには、豪華な賞品も用意する予定なので学生達も頑張ってほしいと思います。

 

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ちゃんと立たせる練習

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歩かせる練習



でも、はやく、コロナが終わらないかな・・・日高農場から持ってきているジャコビー サブリナは、未経産で日胆の共進会でジュニアチャンピオンになって、全道に出陳することになっていたのですが、地震で全道が中止に、昨年無事に良い乳房が付き、体格審査も84点と高得点で共進会に期待をかけたのに、昨年は、すべての共進会が中止・・

 そして、今年も良いコンディションで2産目を無事にむかえたのですが・・今年も中止になってしまい非常に残念です。 秋にワクチンの接種が無事に終わって、ウィンターでも開催できるようになれれば、うれしいのですが、オリンピックの後の動向が心配ですね。

受精卵の子牛が2頭も生まれました。

年度末、年度初めの学校は、色々と忙しくブログを上げるのが疎かになってしまいました。

 もちろん、その間も、牛舎は日々忙しく活動しているのですが、この2ヶ月ほどの間に9頭もの子牛が生まれました。 

 その中には、移植した受精卵の子牛やその採卵した牛の子、初産で判別精液で産ませた子牛など、期待の牛が多く生まれたので可愛くて仕方が無いです。

 

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移植で生まれた和牛(福之姫×安福久)

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エリザベス(エレガンス)系統の受精卵の仔



 5月22日に開催が予定されていた石狩の共進会がこのコロナ禍の影響で中止になりました。 今回はかなりの頭数(7~8頭)の参加を予定しておりましたが、非常に残念です。 昨年からずっと共進会が中止になっており、今回1年ぶりでの参加でしたが、このような結果になり、今後の共進会の開催も不透明でしたが、全道共進会は開催さるとアナウンスされたので、今後その目標に向かって行きたいと思います。(学生たちは、すごく頑張っているので、コロナでまた中止にならないことを祈っております。)

 昨年度は、体格審査に力を入れて、非常に良い結果を得ることが出来ました(学校で初めての4Eを獲得したり、初産で84点の牛が3頭もいました。 この春の審査でも初産2頭が83点でした。)

 しかし、今年度は他に何かできないか、特に、リードマンの機会が少ないので、良い牛も揃ってきたこともありますので、学内で何かできないか検討したいと考えています。(学内でリードマンの講習や毛刈りの講習など)

 4月からの雪解けも早く、気温もこのまま上昇するのかと思っていましたが、思いのほか気温も上がらず、肌寒い日がありますが、デントコーンの播種作業は、無事に終了しました。 牧草も、5月30日に1番草の収穫が始まり(例年より1週間遅れ)、晴れ間を縫って50個ほどを収穫しました。明後日にも収穫する予定です。

 月末には日高農場の牧草収穫が始まります。今年も良い牧草が収穫できるよう頑張ります。

 

卒業式

一昨日、無事に卒業式が終了しました。

 残念ながら、今年もコロナ禍の影響で規模は縮小で行われ、少々さみしい式になってしまいました。

 それでも、昨年は、中止されましたレポート発表は、窓を開けた講堂を使うことやソーシャルディスタンスを取りやすくするために人数も学生と一部職員と制限することで行われました。 特に果樹科の学生(りんごチップ)と耕作の学生(ビートやデントコーンを利用した酪農をイメージしたパン)の6次産業化についてのレポートは、大変面白く、来年度レポートを研究しなくてはならない1年生達への良い参考になったと思います。

  全寮制の学校ですので、卒業後学生は退寮していきます。コロナ禍のなかでも、畜産界は依然として人材不足です。畜産コースを専攻した学生の多くは、牧場やヘルパーなどに就職していきました。コロナ禍の中、新しい土地で新しい仕事をしなくてはならない卒業生は、大変だと思いますが新しい世界で頑張ってほしいと願うばかりです。

 札幌は今日も雪です。 気温もプラスになり、雪もかなり解けましたが、また、冬に逆戻りです。 それでも、新入生が入学してくる来月末には、札幌でも桜が咲き始めると思います。 来年度は、昨年のように延期にならないように願うばかりです。

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冬の牛舎

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札幌市内でドローンを飛ばせるのは学園敷地内だけ、来年度からドローン講習も始まります



表彰状

 年度末が近づいて来まして、学校も卒業式が近くなり、色々と忙しくなってきております。 コロナ禍の影響で、今年の卒業式も来客などが制限され、昨年に続き学生には、色々と負担と我慢を強いる状況が続いています。

 しかし、コロナ禍の中でも、就職が決定し、4月から新しい生活が始まる卒業生達には、エールを送りたいと思います。

 2通の表彰状が札幌に送られてきました。 

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 ひとつは、サツラク農協組合から、もうひとつは日高町和牛生産者組合からで、サツラク農協組合からは、高品質生乳生産の部で最優秀賞を、日高町和牛生産者組合からは、年間出荷頭数5頭~15頭(去勢)の部 第1位で表彰されました。

 高品質生乳生産とは、出荷日毎の個乳が 生菌数5千個/㎖以下、体細胞数20万個/㎖以下、乳脂肪3.8%以上、無脂固形分8.8%以上、乳蛋白3.20%以上の乳になります。

 生菌数5千個は、洗浄の機械が故障しなければ、まずクリアできますが、体細胞20万個以下は、難治性乳房炎の牛が数頭いるとクリアすることは難しくなります。

 本校の体細胞数は、大体一桁(現在は5万個前後)ですが、黄色ぶどう球菌の牛がいたころは、凝集物(通称ブツ)が出なくても、体細胞数が上がる為、10万を超えることがありました。 黄色ブドウ球菌は常在菌なので、特に過搾乳に注意することと、プレ


 ディッピング、ポストディッピングを徹底することで抑えこむ事に成功しています。

 昨年の和牛の去勢を市場に持って行ったのは、肥育を始めたこともあって、例年より少なかったり、今年度は、血統の良い、良質の牛だけを市場に出陳したので、平均価格が上がり、以前にも書きましたが平均で83万円ほどになりました。 百合白清2の子が、99万9千円で落札されたことが大きかったと思います。

 この2月市場で、勝早桜5が85万で落札されましたし、今後もこの調子で行きたいと思っています。 この1月に生まれた福之姫×幸紀雄×安福久も期待大ですしね。

体格審査 3回目

1月26日に札幌牛舎で体格審査がありました。

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審査中  じっくりと見られます


 今回は、初産2頭、2産2頭、3産1頭、4産1頭が審査を受けました。

今回も初産が1頭84点(もう1頭は81点)、2産目が87点(もう1頭は84点)

3産目が87点、4産目が88点と高得点を獲得しました。今年度、初産が3頭、84点を獲得しました。 また、2産目も89点、87点を獲得し、来年度以降エクセレントが期待されます。2歳級以下が12頭、3歳級7頭と審査頭数26頭中75%以上、若い牛が占める中で、体型偏差値は135.3まで上がりました。

 12月に自家採卵を行いましたが、4卵移植して3卵が無事に受胎しました。 乳牛の経産牛への移植でしたので、受胎率で不安がありましたが、獣医先生の協力もあり、3頭受胎することが出来ました。来年度は、ホル5頭、和牛2頭が受精卵から生まれます。

 

 和牛素牛の出荷も12月メス2頭、1月去勢3頭、2月メス3頭と続けて出荷しています。1月はご祝儀相場、まだ、非常事態も出ていなかった為か非常に高い価格で落札されました。

 1月去勢1頭が85.2万円、もう1頭が83.6万円(最後は77.2万円でした。)福之姫、若百合はやはり高めで落札されました。2月のメスも諒太郎が74万円、福之姫70万でした。メスも上がったきました。諒太郎はメスだと高く落札されます。福之姫は幸紀雄との組み合わせでした。この後も高値が期待できる福之姫、若百合、鈴音の子牛は、市場に持っていきたいと考えているのでどうなるか楽しみです。(その前にワクチン接種が始まって、コロナが終息していってほしいですが…)

 昨年は、肥育に去勢を6頭廻さなくてはならなかったので、去勢牛の出荷頭数は6頭だけになりましたが、平均落札価格は82.6万円でした。

 2月に落札された百合白清2の99.9万円が平均を大きく上げています。落札価格の低かった5月6月の市場に出さずに肥育に牛を廻したことも平均を下げなかった大きな要因です。今後の市場動向は、不明なことも多いですが、オリンピックが大きなカギになるかもしれません。3月が大きなターニングポイントになるかも…