hakkou-hidaka2007-12-15

 来年3月から、乳製品の値上げが決まったそうですが、飼料、燃料の価格は、毎月のように上がる一方なのに、来年3月まで待つなんてなんとも悠長なことです。
 それでも、何とかコストを下げるためにも、餌をいくらか変更しなくては、ならなくなったことは、以前にも書きましたが、いくらコストを減らすためと言っても牛が不健康になっては、どうしようもありません。
 そこで、毎回の乳検、10日ごとのバルク乳の検査結果の中のMUN(乳汁尿素窒素)をチェックして、少しでも餌に無駄が無いように変更しております。 
 第一胃内で蛋白系飼料が過剰な場合や微生物蛋白の合成にエネルギーが不足した場合、アンモニアが胃壁より吸収され肝臓で処理され尿素に変換されて放出されます。つまり、給与した餌が無駄になる訳です。 そればかりか、牛の健康状態(肝臓に負担)も悪くなり、繁殖までも悪くなるとひとつもよいことがないのです。
 だから、この数字を大体10〜14の間に(蛋白レベルは3.0〜3.2ぐらい)納まるようにするわけです。
 また、分娩してから食欲があがらない時などは、この数字を見ながら餌を増やしていったりしています。 (ルーメンの状態を推測するために)
 蛋白系の飼料は高価ですから、無駄に給与したくありません。でも高泌乳をさせるためには、また、早期に受胎させるため、周産期病を防止するためにもケチることもしたくありません。 だから、データを今まで以上に細かく見ることでコストを下げようとしているのです。(頭を使うことは、お金が入りませんからね)
 また乾草を出来るだけ多く食べてもらうように、草架に入れるときのほぐして入れ、少しでも乾物摂取量が上がるようにしていますし、飼槽から草がなくなるようなこともありません。
 だから、今年の牛は蹄病も少なく(いままで、破行ばかりしていた牛も調子がよさそうです。)大きな病気は無しです。
 餌が高い時ほど、自給飼料の大切さがよくわかります。 餌がこのまま高騰しても対応できるような飼育方法も模索しなければならない時期がもうそこまで来ています。
 今、夜食を牛に給与してきました。 バンナが馬栓棒のしたに入ってしまって、また肢を怪我してしまいました。 やっと前の傷口がふさがったのに・・・・