さて、和牛の子牛の下痢が、ようやく終息にしそうです。 今回は、基本的に学生の管理から外しました、なぜかと言いますと”牛は、習慣性の動物である”原則に従うためです。
 約1週間近くなりますが、できる限り薬は使わずに管理しております。(ガスがお腹に溜まるとそれを抜くために使用しています。)
 そんなんで、いままで、下痢してたものが治るんかい!!と言われそうですが、以外に病弱な子牛でも、飼い方でがんばるんです。(自分で治す力があるんです!!)
 子牛の下痢の防止の原則は、環境と免疫力です。
 でも、それには、下痢って何??と考える必要があります。
 まず、子牛の下痢の種類は、色で分ける方法で、色が白い白痢。これは、乳汁の脂肪が吸収できない場合の消化不良か、大腸菌などの細菌感染のものです。 生まれてから大体1ヶ月以内に罹ります。
 次が色の付いた軟便、水様便。腸炎を起こしたものが多く、細菌感染、ウィルス感染、寄生虫などの原因が考えられるものです。生まれてから1ヶ月以上経過した子牛がなり易いです。
 次にわける方法が、感染性下痢と非感染性下痢(機能的下痢とも言う)で、感染性下痢は、上記に書いたような細菌、ウィルス、寄生虫のものを指し、非感染性の下痢は、初乳の投与の有無、畜舎の汚染(敷き料など)、不規則な餌の給与、過剰な餌の給与などによる消化不良が上げられます。
 今回の下痢はどれ??
 日高農場の場合、ウィルス、寄生虫に関しては、プログラムを組んで対応しているので、原因としては考えにくい。細菌感染が一番考えられるけれど、独房の掃除は、一日数回行っているので汚い事はない(たまに汚いことも無いことは無いが・・・・)よって、細菌感染は考えにくい。 それでは、非感染性下痢にポイントを置いて、対処することにしたわけです。 この子牛は、投与された初乳の量が少ないことはわかっています。けれど、すでに生まれて3ヶ月が過ぎこれだけが原因とは考えにくい・・・環境と免疫力じゃ答えがない!!
 でも今回の下痢は、ガスの発生も伴っている・・・これは、何かある!!
 ガス(鼓脹症)は、第一胃内の細菌が餌の中のたんぱく質、多糖類影響で発生したり、発酵飼料(濃厚飼料)の多給でPHが低下、原虫の数が減少したりします。
 農場の子牛の給与回数は一日4回と多いのですが(これは、飼養頭数が少なく、牛を退屈にしないため。何もないと悪癖が現れます。)一回の給与量は300から400g前後と少ない、これを目検討で間違って多くやると簡単に一回100gは多くなってしまう・・・(実際、サイレージを一回4kg給与なのですが、ある学生は5.5kg以上も給与していたこともありました。3回給与なので4.5kgオーバーです。) つまり、過剰な給与、不規則な給与を疑ったみたのです。それじゃ、配合は、ちゃんと計量して、乾草も規則正しくやることにしました。 下痢が長く続いたためでしょうか、反芻が少し弱い様ですが(反芻の回数が少ない時、ガスが溜まる・・・原虫の活動が弱いってこと)反芻さえよければ、いまのところ下痢はありません。
 牛は、反芻動物ということを改めて認識させられました。
 このまま、治ってくれれば・・・・