企業と協力

 今年度から、企業とコラボする案件が増えてきました。

 夏前から初めていたのが、ブログでも報告していました、”レブセルSC”です。

 12月までの試験利用が終了しますが、その効果で最も知りたかったのが、耐暑性の向上でした。 血液検査など調べていますので、今後どのような結果になるのかが楽しみであります。

 糞便中の刈り遅れのデントコーンの子実の消化割合は、それほど変化はなかったので、硬いコーンの消化を向上させることはサプリメントの力を借りても難しいのかもしれません。やっぱり、刈り遅れを避けることのほうが大切なのだと言うことですね。何でも、サプリメントで解決してくれるわけではありません。

 けれど、7月、8月の分娩頭数が多かったですが、ケトージス、低カルなどの発症もほとんどなく、周産期病の予防効果に関しては、ある程度の効果があったのではないでしょうか。

 夏過ぎから初めているのが、NMR(磁気共鳴装置)を使った乳房炎検査装置へのサンプルの提供です。牛舎では、長年、黄色ブドウ球菌の乳房園には苦しんできましたが、このNMRの装置を使うと比較的初期の段階で乳房炎を探知できるので、早期の治療ができるとようになるかもしれません。黄色ブドウ球菌の乳房炎は、難治性で治療効果が上がらないので、臨床症状が出る前に、治療できれば治癒する可能性出てくるかもしれないので、今後の研究が期待できます。 また、NMRでは、ガゼインミセルの分析をしていているのですが、乳房炎の他に探知できる何かかがあるかも知れないので、その可能性も研究しています。 

 来年からは、牛舎内で使う新素材を使った酪農機材のヒーターの実証実験も始める予定です。このヒーターは、最近多いカーボンヒーターとは、全く違う素材を使ったもので詳しくは書けないのですが、牛舎内で使用するには非常に有効だと感じており、来年使えるのが楽しみです。

 他にも企業からサンプルを頂いて給与しているサプリメントもあり、いろいろと検証しています。 

 牛に病気が多いわけではないのですが、(ケトージスの治療もこの半年で2頭程度、乳房炎は1ヶ月に1頭出るか出ないかです。)予防も兼ねて給与しています。

 

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こちらもサプリメントを給与して堆肥の発酵を促進させた。冬場でも発酵温度は60℃になる