今年、日高農場で購入した新兵器のひとつがこの移動式枠場です。
ここ数年前から、PDD(趾皮膚炎、趾間乳頭腫症です。私達は、その傷口からイチゴ病とも呼んでいます。)の発生で、蹄病の治療が増えています。 もちろん、PDDだけが蹄病の原因では、ありません。 濃厚飼料の多給、牛床の環境など様々な要因もありますが、本農場では、PDDの治療が、蹄病の中では一番多いとおもいます。
PDDを発症すると、牛はとても痛がります。 それは、もう歩かせるのがかわいそうなくらい。 中には、歩くことさえ嫌がってしまう牛もいます。(痛くて、すぐに寝てしまう牛も) 
 PDDは、単純な外傷でなく、食滞、繁殖問題を引き起こし、経営に大きなダメージ与えかねません。
 蹄病の治療には、枠場が必須ですが、普通の枠場だといろいろと問題(面倒)が発生します。
 まず、牛を枠場まで、連れて行かなければならないと言うこと、枠場に保定するのが大変(片足を上げさせねばならない)なこと、暴れる牛がいると枠場に近づくのが危険・・・など、少しのことなら治療するのもちょっとためらってしまう事があります。
 でもこの枠場なら、その問題も解決です!!

 まず、この枠場、移動式なので、繋ぎ式、フリーストール牛舎のどちらでも使用可能。
牛を動かす事無く、枠場の移動で治療が出来ます。
 足の保定も、チェーンブロックと、産科ロープを使うことで足を上げることが出来、その上、枠の後ろが加工されており、牛の足をロック(関節を取る)できるようになっているので牛に無理なく保定ができます。
 そして、牛が暴れてもチューブ式タイヤなので挿まれても人間の足を傷つけません。

 何回か使用してみましたが、危険度がかなり低下しました。 足を保定する際、牛が暴れた時など今までの枠場とは格段の違いがあります。
 また、チェーンブロックや、牛を歩かせる必要がなくなったので、治療のスピードが上がり、牛の負担も軽減されました。
 お値段は、少し張りますが(20万以上)長い目で見れば、お買い得だと思います。