日高農場の平均乳量が10800kg、乳脂肪が4.07%、乳蛋白3.3%、体細胞数3.8万、MUN12となりました。 ここ数年間の成績中では、全体的なバランスからでは、1番ではないでしょうか。 
 5,6年前に12000kgを越えたことがありましたが、乳脂肪が3.5%前後で(夏場は、これを下回った!!)かなり低く、他の成分も低かったので、FCM(乳脂肪補正乳量)で計算してみれば、今の値とそれほど変わりありません。一年を通して、平均10000kg以上で脂肪が4%を越えることが、私の目標値でもありましたから、今年は何とか達成できそうです。
 それより何より、うれしいのが、病気の発生が低かったこと。去年は、事故が多くて、乳、肉牛合わせて4頭も死んでしまいましたから、今年は無しのままいきたいもの。 分娩する子牛も、乳牛は雄が1頭だけあとは雌のみと優秀!!なのもうれしい!!
 乳量が高くなると、どうしても蹄病や、周産期病が多く発生するようになりますが、今年は、蹄病は、3頭(内2頭は、去年の蹄病を引きずっていたもの)のみ、ケトージスもこのうちの1頭が、治療のため外に出れず、乾物が足りなくなって、発生したのみとかなりの好成績!!
 あとは、受胎率が高ければ、問題なし・・・・なのだが、そこまでは、旨くいかなかった・・・・昨年末に、分娩した牛が、まだ受胎確認できていないんです。 受精卵移植をしようとがんばったのですが、これが旨くいかず、ずるずると空胎期間を延ばしてしまったのです。 現在も新たに採卵した受精卵で確認待ち。 (一頭は、卵管閉鎖で普通では受胎できないのです。)他の牛も、人工授精ならば大体3回までで受胎してますが、これを2回ぐらいにしたいもの。
 受胎率の向上と乳量の向上は、相反するもの。 乳量が、上がるとどうしても泌乳初期のエネルギーが低下するので発情が弱くなる傾向がある(動物の保存の法則ですね。未来の仔より、今の仔牛が大事ということ)それを解決するには、高品質の租飼料が必要なのだけれど、日高の飼料はそこまで行っていない・・・(乾物摂取量が上がらないです。 だから泌乳初期のMUNが高い傾向になり、アシドーシスを防止するため、配合飼料の増給を遅らせることになる。 そのため、エネルギー不足になってしまうので、結果繁殖を悪くさせる。)
 ならば、乳量を下げればっと、考えようなものですが、そこは個体販売もしているので、成績がよくなければ誰も買ってはくれないのです。(性能の低いものは買ってくれない、市場経済のルールです。残念ながら牛は経済動物なのです。) よって、乳量の多いものは、無理せず多少遅らせて受胎させるようにしております。 乳検結果はそのため悪いですけどね。 来年は、もっと良い租飼料を確保して、よりよい環境を牛たちに与えたいものです。