実習の大詰めの大行事、 デントコーンのサイロ詰めが無事に終了しました。
 8,9月と良い天気が続いたので、デントコーンの出来は、非常に良かったのですが、残念なことに、晴天が続きすぎ水分含有量が、若干少ないようです。 これが、サイレージの品質に悪影響を与えなければよいのですが・・・
 タワーサイロの人間による踏み込み作業は、多分、今では、本校以外にやっているところは無いと思います。 
 人間が踏み込んでも、それほど踏圧はかからないかもしれませんが、でも踏圧って、サイレージを作るうえで非常に大切なことなんです。 特にバンカーサイロでは、大切なので無意味と考えずどうして必要か考えてみてくださいね!!
 じゃ、この作業の必要性ですが・・・
 サイレージが出来るプロセスの中で大切なことは、好気的環境から嫌気的環境への速やかな移行です。
 酸素があると糖は分解され続け、酢酸を作りサイレージの品質を低下させます。だから踏圧をかけ、すばやく密閉し、嫌気的条件を作り出すことで乳酸産生菌を活発化させます。 そのことで乳酸発酵が進み、良質なサイレージを作り出します。
 バンカーサイロで調整する時、ダンプカーが次々デントコーンを運んできてしまうため、充分な踏圧がかけられないことがあります。 でもここで、しっかり踏み込みをすれば、品質はよくなります。ダンプカーを一時止めてでも、踏み込みはしっかりとするべきです。なぜ、サイロの中を、何時間も歩いたか、わかったでしょうか。(出来るだけ、酸素のある空間を少なくしたかったのです。)
 次に日高でやったのが、長靴にオーバーシューズを履かせた事。
これは、クロストリディウム菌という菌をサイレージの中に混入させないためなのです。この菌は、土や糞尿の中に存在し、乳酸を水、二酸化炭素酪酸に変換させる根性の悪い菌なのです。(酪酸のおおいサイレージも品質が嗜好性が低い) 皆の長靴をそのままで踏圧を掛けてもらうと、逆にこの菌を混入させる原因になるので、オーバーシューズを履いてもらいました。(デントコンーンが、台風などで倒れて土が混入しても起きる可能性がありますので注意)
 水分が少なめなので、少し長めに密閉することになると思います。 昨年は、良いサイレージがあったので牛たちは病気もせず、一年を過ごせました(乾草は悪かったですが・・・) 今年もぜひ良いサイレージが出来てくればと思っております。