分娩後、乳房炎に罹っていたサリーがようやく出荷できるようになりました。 これで、バケットミルカーともしばらくお別れです。(後、3週間もすれば、また初産のホルの分娩があります。 今年は、コンスタントに分娩があるな〜)
 体細胞数は、13万と少し高めですが、病み上がりの牛としてなかなか良い数字だと思います。出荷禁止の数字は30万以上です。 現在バルクタンク(8頭出荷で280キロです。 少ないですね、もう少しほしいところです。)の体細胞数は、5万前後なので少しだけ上昇してしまいますね。 もう少しすれば、サリーの体細胞も下がるでしょう。
 体細胞数を下げるには、どうすればよいか、学生に良く聞かれるのですが、これっていろいろな問題が複雑に絡み合っているので簡単には、解決できないですよね。
 まず、大切なことは、正しい搾乳法で牛のミルクを搾ること。 これって以外にできないので、もう一度確認させてみます。
 乳汁を逆流させない前搾りし、綺麗な乳頭(プレディッピングやペーパータオル、布タオルを一頭一枚など)に清潔で正常な搾乳機(一年い一回は、メーカーで検査、酸性洗剤、アルカリ洗剤を正しく使用)を取り付け、搾りきれたらすぐに外す。(過搾乳は、乳頭口の括約筋を痛め、乳頭口が閉じにくくなります)牛が安心してオキシトシンを出せるような環境を作ることも大切ですし、肢を上げるような癖のあるをできるだけ少なくすることも大事。
 搾乳法が変更しても、結果でなければ、次は環境改善!! 乳房、尻尾、後肢の毛刈り、牛床を清潔、乾燥させる。 とにかく、細菌が住めない様な環境を作り出すことです。漏乳や尿便など細菌の餌になるようなものは無くす、乾燥すれば彼らは生き抜くことができないので環境改善剤(使っています)敷き料をできるだけ交換してやる。あと、パドックがぬかるんでいるのも良くないので外の環境もできるだけ改善してみる。
 これでも、体細胞が下がらないとすれば、ビタミンAなどのビタミン剤を給与してみる。 これは、効果はありますが、給与をやめると上がります。亜硝酸態窒素が多いと高くなることもあるので餌も分析してください(めったに無いとは思いますが、これが高いと牛は死にます)。
 と体細胞を下げるのも大変です。 でも消費者によりよいミルクを出荷する義務が酪農家にはあるので、少しでも低い数字を目指さなくてはなりません。