hakkou-hidaka2007-05-16

 学生の特訓が始まりました。 共進会で大切なことは、なんといっても牛を美しく見せること。 牛を美しく歩かせ、美しく立たせる。これには、しっかりとした調教が必要です。でもこれ、牛によってやり方が変わるのです。 100%完ぺきな体型の牛はいません。 それにバランスの良い牛よりも、どこかずば抜けてすばらしい資質を持っている牛の方が人の目を引きます。(人間のモデルでも、美人という人より特徴的な顔が多いと思います。)だから、牛を歩かせるときは、その牛の持っている欠点をできるだけ見えなくし、より良い資質が引き立つように歩かせる必要があるのです。だから、牛に求める事柄も変わるし、牛の性格もそれぞれ違うので調教の方法も変わってくるのです。
 まず共進会では、牛の頭を上げる必要があります。写真の牛ですと体高150cm程になりますので、ちょうど人間の顔の位置に頭を持ってくる感じになります。この牛は背中が弱いので、あまり頭を上げると背が弛んでしまうから気を付けないといけません。でも体が若干短いので長く見せるように歩かせなくてはいけません。そのバランスがとっても重要です。学園の牛らしく雄大で力強い牛なので、優雅に歩かせたいところですが、力で頭を上げると牛の体に力が入ってしまと、きれいに歩いてくれません。今回の引いた学生も力の加減がわからず、牛と喧嘩をしてしまいどうもうまく歩いてくれませんでした。 それで牛に乗っかかれる例の学生に引かせたところ、これで二回目なのにうまく引くではありませんか!! すわ、天才かとも思いましたが、どうやら、牛に気に入られたようで、(牛にも、好きずき相性があります。)この牛で練習をして町の共進会でデビューする事になりそうです。