四国には、小さい頃、夏休みの時期になると2週間ほど毎年のように行っておりました。 今回、およそ四半世紀ぶりの滞在です。 
 大都市出身の自分が農業にかかわる切っ掛けが、ここでの経験でした。
伯母が作る野菜や果物、伯父が取ってくる猪、鮎などが食卓に並べられ、まわりは、田んぼだけ、暑くても気持ち良い風が家の中に吹き込んでいました。 大都会に住んでいる自分にとっては全くの別世界。 毎日、用水路でメダカやドジョウを取り、お宮に行ってセミやトンボを取っていました。 それに小遣い稼ぎでうなぎのシラスも取ったりして、それは楽しい思い出です。 ここでの経験が農業っていいなぁと思い始めた最初でした。(もちろん、その頃、農業を職業にしようなんて、考えてもいませんでしたが・・・)
 息子を連れて、再び訪れた田舎は、伯父曰く”猪も減ったし、鮎もうなぎも少なくなり、川で遊ぶ人などいなくなってしまった”。でも、いつも通っていた用水路には、メダカもドジョウもまだいましたし、お宮には、息子でも簡単に取れるくらいいっぱいトンボもセミもいました。(カブトムシももちろん取りました。)
 そして、いつもあのにおいもそのままでした。 
 ただ違っていたのは、そのサイズ、猪用の犬は、小さく、用水路は、自分の記憶より狭く、お宮の森も狭く、川までの距離は、とても近かったこと。
 伯母曰く、”あんたが大きくなっただけ、昔から何も変わってない”
 記憶って結構いい加減なんだなぁ感じた3日間でした。
 (夏さより何より、一番参ったのがセミの声、日が昇ると同時に、ずっと鳴いているので、睡眠不足に・・・やっぱり日高でカッコウやウグイスの声を聞いているほうがずっと良いとも思った3日間でした。)